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2022.02.08 院長ブログ

頭頸部外科について

従来、日本耳鼻咽喉科学会としていた、私たち耳鼻咽喉科の中心となる学会が、先日名称の変更を行い、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会となりました。

私は小児病院や地域中核病院での勤務も長かったのですが、特に大学病院での勤務以降は、頭頸部外科として診療を行う、口や顔・のど・くびの腫瘍(できもの)をもつ患者さまを多く担当し、癌の長時間手術を含めて主治医として診療にあたってきました。

耳鼻咽喉科については聞きなれているかと思いますが、頭頸部外科ではどのような診療を行っているかを、私の主観をとおしてお伝えできればと思います。

頭頸部外科とは

頭頸部外科とは、一般的に、頭から首までの病気を扱う診療科目です。ただし、眼球と脳と背骨(頸椎)は除くことが多いです。ケガや、深いところに膿がたまってしまうような感染症などを扱う場合もありますが、良性腫瘍もしくは悪性腫瘍の患者さまを診ることが多いです。診断から手術を含む治療まで行います。癌などに対する放射線治療や、抗癌剤の治療、免疫チェックポイント阻害薬などの抗腫瘍治療も頭頸部外科として行われることが多いです。病院によっては、耳鼻咽喉科医のみならず、主に歯科医師免許をもつ口腔外科医が診療にあたることもあります。

頭頸部外科として診療を行う場合、「外科」というだけあり、手術を行うことができる知識が必要であると考えます。すなわち、人間の体の構造を知らなければなりません。頭頸部外科医としての自負を持って診療にあたるということは、まずは頭から首までの体の構造に対する知識と経験があるということが前提になるのではないかと考えます。

クリニックにおいての頭頸部外科

腫瘍などの早期発見や処置、小手術などのみならず、頭頸部外科としての知識と経験に基づいて、今診ている部位よりも深いところにどんな血管や神経などの重要な構造があるのかわかること・知っていることで、一般的な外来診療にも大きなメリットが生じると考えます。つまり、より安全に、より正確な診療を行うことが可能になると考えます。

当院では、特殊な画像強調を行うことができるビデオスコープ(電子内視鏡)や、その場で検査可能なエコー、低被爆・高精細が特徴とされるコーンビームCTを導入しており、普段の診療から頭頸部の良性腫瘍、悪性腫瘍を早期に発見し、治療につなげられるように心がけています。頭や首のまわり、鼻や耳、口の中のできものなど、ご心配がある方はぜひご相談ください。